炒め物をするときも、ほかの料理をするときも、まずフライパンに油を引く。今は、それが当たり前になりすぎています。
私は、植物油・砂糖・小麦粉・乳製品を見直す生活をしてきました。4つを全部やめるのは難しい。でも油に気をつけると、砂糖や小麦粉も一緒に減ることが多い。油は、ほかの3つと一緒に入っていることが多いからです(詳しくは「食生活の見直しは「油」から始めるといい」に書きました)。
今回は、その「当たり前」がいつできたのかを、外食の歴史から見てみます。
1970年、すかいらーく1号店
1970年7月7日、東京都府中市にファミリーレストラン「すかいらーく」の1号店が開業しました。郊外型ファミリーレストランの先駆けとされる店です。
翌年の1971年7月20日には、日本マクドナルドが銀座三越の1階に1号店を出しました。ファミレスとファストフード、形の違う「外で食べる」選択肢が、ほぼ同じ時期に日本へ登場しています。
1980年代から90年代、チェーンが広がる
1980年代には、和食の「藍屋」(1983年11月)や、中華の「バーミヤン」(1986年4月)など、料理のジャンルを絞ったブランドが生まれました。1992年3月には、低価格の「ガスト」の1号店が開店しています。
1993年には、当時720店あった「すかいらーく」のうち420店を、約1年でガストに切り替えました。チェーンの外食は、1970年からの20年ほどで、全国に広がっていきました。
同じ時期に、油の割合も増えていた
同じ時期の、日本人の食事の中身も見てみます。
厚生省の国民栄養調査によると、食事のエネルギーのうち脂質が占める割合は、1978年に22.7%でした。それが1988年には25.5%になり、当時の目安の上限だった25%を初めて超えました。厚生労働省の国民健康・栄養調査では、2023年は28.9%です。
外食のチェーンが広がっていった時期と、食事の中の油の割合が増えていった時期は、重なっています。
ただし、この2つの数字だけで、「外食が増えたから油が増えた」とは言えません。家庭の調理や加工食品など、ほかの変化も同じ時期に起きているからです。
油の「当たり前」は、最近できたもの
私がこの歴史を調べて思ったのは、油を使う食事も、外で食べる食事も、どちらも長い歴史があるわけではない、ということです。
家で油を引いて炒めることが広がったのは戦後のことです。チェーン店で気軽に食べることは、1970年以降に広がりました。そして、その間に、食事の中の油の割合も増えていました。
当たり前に、気づくところから
当たり前になったものは、わざわざ見直そうとは思いません。 でも、その当たり前が最近できたものだと知ると、何故そうなったかに目を向けたい。
私が油から見直し始めたのも、そのためです。外食を否定したいわけではありません。家で引く油も、外で食べる料理の油も、どちらも当たり前の中にあります。まずはその当たり前に疑問を持つと、摂取する油の量に驚くだろう。